OBASAN’s blog

¿Qué debería hacer hoy?

65歳以上の生活費平均はいくら?

本記事では、公表されている最新データをもとに、65歳以上の無職世帯における1カ月の支出や収入の現実を解説します。さらに、2026年度の年金改定にともなうライフコース別の受給額の目安も提示し、老後の暮らしに向けた準備について整理します。

【単身世帯のリアル】65歳以上の独り暮らし、ひと月の家計収支はどうなっている?
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」から、65歳以上の単身無職世帯のひと月の家計収支データを見ていきます。

【データで見る】65歳以上・単身無職世帯の1カ月の収入と支出の内訳

【収入の実態】毎月の実収入は13万1456円、その大部分を占めるものは?
■うち社会保障給付(主に年金):12万212円

【支出の実態】毎月の支出は16万1435円、生活費の内訳を詳しくチェック
■うち消費支出:14万8445円

・食料:4万2545円

・住居:1万1416円

・光熱・水道:1万5565円

・家具・家事用品:6069円

・被服及び履物:3049円

・保健医療:8388円

・交通・通信:1万3601円

・教養娯楽:1万6132円

・その他の消費支出:3万1681円

■うち非消費支出:1万2990円

・直接税:7072円

・社会保険料:5912円

【収支のバランス】65歳以上・単身無職世帯の家計が抱える「毎月の赤字」
・ひと月の赤字:2万9980円

・エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合):28.6%

・平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合):125.3%

老齢年金を受給して一人暮らしをするシニア世帯の家計は、どのような状況なのでしょうか。

この単身世帯のひと月の支出合計は16万1435円です。その内訳は、税金や社会保険料などの「非消費支出」が1万2990円、食費や住居費などの「消費支出」が14万8445円を占めます。

一方、ひと月の収入は13万1456円で、その約9割(12万212円)は主に公的年金です。

エンゲル係数は28.6%、平均消費性向は125.3%。結果的に、この単身世帯は毎月2万9980円の赤字を抱えています。

ただし、この家計収支データには注意すべき点があります。まず、支出に「介護費用」が含まれておらず、住居費も1万円台と低めです。健康状態や住居環境によっては、これらの費用がさらに上乗せされることも考慮する必要があるでしょう。

また、「非消費支出」が示す通り、老後の年金暮らしが始まっても、税金や社会保険料の支払いは生涯続きます。

多くのシニアがこれらの費用を年金から天引きで納めている現実も踏まえ、年金収入と日常生活費だけではなく、こうした、固定費も考慮した生活設計が大切となるでしょう。

【最新情報】2026年度(令和8年度)の年金額例と改定による引き上げ幅
現役時代の年金加入状況によって、老後の受給額は一人ひとり異なります。加えて、年金額は物価や現役世代の賃金動向を踏まえ、毎年改定がおこなわれます。

2026年度の年金額は前年度より国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%引き上げられており、日本年金機構は以下の年金額について公表しています。

【改定後の目安】2026年度における国民年金(満額)と厚生年金の受給額例
・国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):7万608円(+1300円)

・厚生年金(夫婦2人分):23万7279円(+4495円)

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額7万9408円(対前年度比+1300円)

※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

国民年金の年金保険料は全員一律ですが、厚生年金は会社員や公務員などが加入し、収入に応じた保険料を納めるため個人差が表れやすくなります。

【働き方でこれだけ違う】多様なライフコースに応じた年金額の試算例
働き方や生き方が多様化する今、「将来、自分はどのくらいの年金を受け取れるんだろう?」と気になっている人もいるでしょう。

厚生労働省は、今回の年金改定の発表と同時に、多様なライフコースに応じた年金額例も示しています。

ここでは、年金加入経歴を5つのパターン(男性2パターン、女性3パターン)に分類し、「2026年度に65歳になる人」を想定した年金額の概算が提示されています。

【パターン①:男性】現役時代に厚生年金期間が中心だった場合の受給目安
【試算結果】男性・厚生年金中心世帯の想定年金月額は17万6793円
・平均厚生年金期間:39.8年

・平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。

・基礎年金:6万9951円

・厚生年金:10万6842円

【パターン②:男性】現役時代に国民年金(自営業等)期間が中心だった場合の受給目安
【試算結果】男性・国民年金中心世帯の想定年金月額は6万3513円
・平均厚生年金期間:7.6年

・平均収入:36万4000円

・基礎年金:4万8896円

・厚生年金:1万4617円

【パターン③:女性】現役時代に厚生年金期間が中心だった場合の受給目安
【試算結果】女性・厚生年金中心世帯の想定年金月額は13万4640円
・平均厚生年金期間:33.4年

・平均収入:35万6000円

・基礎年金:7万1881円

・厚生年金:6万2759円

【パターン④:女性】現役時代に国民年金(自営業等)期間が中心だった場合の受給目安
【試算結果】女性・国民年金中心世帯の想定年金月額は6万1771円
・平均厚生年金期間:6.5年

・平均収入:25万1000円

・基礎年金:5万3119円

・厚生年金:8652円

【パターン⑤:女性】現役時代に専業主婦(第3号被保険者)期間が中心だった場合の受給目安
【試算結果】女性・第3号被保険者中心世帯の想定年金月額は7万8249円
・平均厚生年金期間:6.7年

・平均収入:26万3000円

・基礎年金:6万9016円

・厚生年金:9234円

上記のデータからは、厚生年金に長く加入し、かつ収入が高かった人ほど、老後の年金額は多くなる傾向があることが分かります。

現役時代に「国民年金の期間が中心だったか」「厚生年金の期間が中心だったか」により、老後の年金水準が大きく変わるわけですね。

働き盛りの現役世代にとって、いまの働き方や収入は、目前の家計だけではなく、遠い将来の年金額を左右する重要な要素となるのです。

まとめ
公的年金の増額改定など明るい話題もある一方で、物価高や税金・社会保険料といった固定費の負担は今後も家計に影響を与え続けると考えられます。

シニア世帯の家計調査が示すように、年金だけの収入では毎月の収支が不足するケースも少なくありません。

しかし、大切なのは平均値に一喜一憂するのではなく、ご自身の働き方やライフプランに合わせた「我が家の目安」を知ることです。

現役時代の方であれば、これからの働き方が将来の年金額を増やす選択肢になり得ますし、すでに受給されている方も生活費の見直しや資産の計画的な活用など、できる工夫は様々あります。

老後の生活設計に一律の正解はありません。

www.msn.com

相続手続きの全体スケジュールを時系列で解説!

親が亡くなると、葬儀や気持ちの整理に追われる一方で、相続手続きも進めなければなりません。特に相続税の申告と納税は、原則として死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
 
10ヶ月と聞くと余裕がありそうですが、戸籍集め、財産調査、遺産分割協議、不動産の評価、税理士への相談などを考えると、意外と時間はありません。相続税がかからない家庭でも、預金の解約、不動産の名義変更、年金や保険の手続きは必要です。時系列でやることを整理しておきましょう。

死亡直後から14日以内は役所と生活関連の手続きを進める
親が亡くなった直後は、まず死亡届を提出します。死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村へ提出する必要があります。通常は葬儀社が手続きを手伝ってくれることも多いです。
 
その後、健康保険、介護保険、年金、世帯主変更などの手続きを確認します。
 
親が年金を受け取っていた場合は、未支給年金を受け取れる場合があります。まだ受け取っていない年金や亡くなった日より後に振り込まれた年金のうち、亡くなった月分までの年金を、未支給年金として亡くなった方と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。
 
日本年金機構によれば、未支給年金の受給権の時効は5年となっていますが、受け取るためには「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」の提出が必要です。10日(国民年金は14日)以内の提出ができない場合、亡くなった翌日以後に受け取った年金を返却する必要があります。
 
公共料金、携帯電話、賃貸住宅、新聞、クレジットカード、サブスクなどの契約も確認しましょう。放置すると、亡くなった後も料金が引き落とされ続けることがあります。
 
この時期は相続の話し合いまで進める余裕がないかもしれませんが、通帳、保険証券、不動産の書類、借入金の資料、印鑑、年金関係書類などを保管しておくことが大切です。勝手に処分すると、後で財産調査が難しくなります。

3ヶ月以内に相続人と財産を確認する
相続では、まず誰が相続人になるのかを確定する必要があります。そのために、亡くなった親の出生から死亡までの戸籍を集めます。戸籍をたどることで、相続人を漏れなく確認できます。
 
同時に、財産と借金を調べます。預貯金、不動産、株式、投資信託、生命保険、車、貴金属などのプラスの財産だけでなく、住宅ローン、カードローン、未払い税金、保証債務などのマイナスの財産も確認します。
 
重要なのは、相続放棄の期限です。相続放棄は、原則として相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。借金が多い可能性がある場合は、早めに調査しましょう。
 
「うちは財産が少ないから大丈夫」と思っていても、不動産があると相続税や名義変更の問題が出ることがあります。通帳の取引履歴を確認し、生前贈与や使途不明金がないかも見ておくと、相続人同士のトラブルを防ぎやすくなります。

10ヶ月以内に遺産分割と相続税申告を終える
相続税の申告が必要な場合、死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告と納税を行います。申告期限までに遺産分割がまとまらないと、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減などをすぐ使えない場合があります。
 
まず、相続財産の評価を行います。預金は残高証明書を取り、不動産は固定資産税評価証明書や路線価などを使って評価します。株式や投資信託は、被相続人の死亡の日の評価額を確認します。
 
次に、相続人全員で遺産分割協議を行います。誰がどの財産を相続するのかを決め、遺産分割協議書を作成します。不動産や預金の手続きでは、相続人全員の署名押印と印鑑証明書が必要になることがあります。
 
相続税がかかるかどうかは、基礎控除を超えるかで判断します。基礎控除は、3,000万円+600万円×法定相続人の数です。たとえば相続人が3人なら4,800万円です。これを超える財産がある場合は、税理士へ早めに相談しましょう。

まとめ
親が亡くなった後の相続手続きでは、10ヶ月以内の相続税申告が大きな期限になります。ただし、それまでに相続人の確定、財産調査、借金の確認、遺産分割協議、不動産や預金の手続きが必要です。
 
死亡直後は死亡届や年金、健康保険、公共料金の手続きを進めます。3ヶ月以内には、相続放棄をするかどうか判断できるよう、財産と借金を確認しましょう。そして10ヶ月以内に、必要であれば相続税の申告と納税を行います。
 
相続は、時間があるようで意外と短いものです。戸籍集めや財産調査には手間がかかります。分からない場合は、税理士、司法書士、弁護士、金融機関に早めに相談し、期限に間に合うよう計画的に進めましょう。

financial-field.com

「子なし夫婦」は遺言書が必須? 起こりやすい相続トラブル

「子なし夫婦」は遺言書が必須? 起こりやすい相続トラブルをFPが解説

共働きがあたりまえになってきている昨今、DINKsと呼ばれる子どもを持たない夫婦も増えてきています。子どもがいないから相続は簡単と思われがちですが、実は「子どもがいないからこそ」相続トラブルが起こりやすいケースがあります。今回は、「子なし夫婦」で起こりやすい相続トラブルと、それを防ぐために、なぜ遺言書が重要なのかを解説します。

子どもがいない夫婦の相続はどうなる?
子どもがいない夫婦のどちらか一方が亡くなった場合、残された配偶者がすべての財産を相続できると考えがちです。しかし、法律上はそうとは限りません。

子どもがいない夫婦では、亡くなった人の両親や兄弟姉妹が存命であれば、その人たちも相続人になります。

法律で決められている相続人の優先順位は次のとおりです。

<相続人の優先順位>
配偶者は常に相続人になります。
1.子ども
2.子どもがいない場合は、親(直系尊属)
3.子どもも親もいない場合は、兄弟姉妹

子どもがいない夫婦の一方が亡くなった場合の相続の優先順位と取り分(法定相続分)を見てみましょう。

たとえば夫が亡くなって妻が残された場合は、子どもがいないため、相続人は妻と夫の両親になります。夫の両親がすでに他界している場合は、相続人は妻と夫の兄弟姉妹となります。夫の兄弟姉妹が亡くなっており、その人に子ども(夫から見て甥や姪)がいれば、その子どもが相続人になります。(代襲相続といいます)

夫に両親も兄弟姉妹もいない場合は、妻が全財産を相続します。

次に、相続人が複数いた場合の取り分も見てみましょう。

法律で決められている相続人が継承する相続財産の割合のことを法定相続分といいます。

<法定相続分>
妻と夫の両親が相続人になる場合
・妻: 3分の2
・両親: 3分の1

妻と夫の兄弟姉妹が相続人になる場合
・妻: 4分の3
・兄弟姉妹: 4分の1

父母や兄弟姉妹が複数いる場合は、法定相続分を人数で均等割りします。

ちなみに、子どもがいる夫婦なら法定相続分は次のとおりです。
・妻: 2分の1
・子: 2分の1(子が複数いる場合は人数で均等割り)

子どもが1人でもいれば、親や兄弟が相続人になるケースはありません。つまり、長年一緒に暮らしている家族の間で遺産分割をすればいいだけです。

しかし、子どもがいない夫婦では、亡くなった人の親や兄弟姉妹が相続人となるため、配偶者は義理の家族と遺産分割を行うことになります。場合によっては普段ほとんど交流のない義理の兄弟姉妹や甥・姪と話し合わなければならないこともあります。こうした点が、子どもがいない夫婦で相続トラブルが起こりやすい理由の一つといえるでしょう。

遺産が自宅だけだと問題が起こりやすい
相続で問題になりやすいのは、遺産の大部分が自宅(不動産)というケースです。

たとえば、預貯金500万円、自宅3,500万円の財産を残して夫が亡くなったケースを考えてみましょう。

預貯金: 500万円
自宅: 3,500万円

夫の両親は他界しており、相続人が妻と夫の兄弟となる場合、法定相続分は次のとおりです。

妻: 3,000万円
夫の兄弟: 1,000万円

妻が自宅に住み続けたい場合は、現金1,000万円を夫の兄弟に支払う必要があります。預貯金が十分にあれば問題ありませんが、不足している場合は、「自宅を売却して現金化する」という選択を迫られる可能性もあります。

夫の兄弟との関係が良好であれば、話し合いで解決するケースもありますが、遠方に住んでいたり、交流がほとんどなかったりすると、それも難しくなります。

「まさか相続で自宅を手放すことになるとは!」

こんな事態にならないように、お互いに遺言書を作成しておきましょう。

遺言書の作成が重要なわけ
遺言書に書かれた内容は、法定相続分よりも優先されます。そのため、たとえば「すべての財産を妻に相続させる」という遺言書を作成しておけば、他に相続人がいても、原則として妻に全財産を渡すことができます。

特に、相続人が兄弟姉妹の場合は、遺言書の効果が大きくなります。兄弟姉妹には「遺留分」と呼ばれる法律上保障された最低限の取り分がないため、「全財産を配偶者に相続させる」という遺言書があれば、兄弟姉妹に相続財産が行くことはありません。

一方、父母などの直系尊属が相続人となる場合には、遺留分があります。ただし、遺留分は自動的に発生するものではなく、相続人が「遺留分侵害額請求権」を行使して初めて請求できるものです。

そのため、親が相続人となるケースであっても、遺言書を作成しておく意義は大きいといえます。少なくとも、遺言書がない場合のように、相続人全員で遺産分割協議を行わなければならない事態を避けられ、残された配偶者の負担を軽減できます。

遺言書はどのように作成する?
遺言書には、主に遺言者自らが手書きで書く「自筆証書遺言」と、公証人が遺言者から聞いた内容を文章にまとめ公正証書として作成する「公正証書遺言」があります。

自筆証書遺言は手軽に作成できる一方で、法律で定められた要件を満たしていないと無効になるおそれがあります。また、紛失や改ざんのリスクもあります。

一方、公正証書遺言は、公証人が内容を確認しながら作成するため、法的な不備が生じにくく、原本が公証役場で保管されるため紛失の心配もありません。

確実に配偶者へ財産を引き継ぎたいのであれば、費用はかかるものの、より確実性の高い公正証書遺言を選ぶのがおすすめです。

●自筆証書遺言
メリット
・費用がかからない
・手軽に作成できる

デメリット
・一定の要件を満たしていないと、遺言が無効になるおそれがある
・遺言書の紛失や、改ざんのリスクがある
・遺族が遺言書の存在に気づかないことがある
・家庭裁判所の検認手続きが必要

●公正証書遺言
メリット
・専門家が手がけるので、遺言が無効になる可能性が低い
・紛失や改ざんのおそれがない
・家庭裁判所の検認手続きが不要

デメリット
・証人2人が必要
・費用や手間がかかる

「自筆証書遺言書保管制度」なら自筆遺言のデメリットを解消できる
公正証書遺言は費用や作成の手間がかかるため、自筆で遺言書を作成したい人は、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用する方法もあります。

「自筆証書遺言書保管制度」とは、自筆証書遺言書とその画像データを法務局で保管する制度です。この制度によって自筆証書遺言のデメリットを解消できます。

法務局で、遺言書の原本と、その画像データが保管されるため、紛失や改ざんのおそれがありません。また、自筆証書遺言の形式に適合するか法務局職員が確認するため、無効になるリスクを減らすことができます。ただし、有効性を保証するものではありません。

遺言者が亡くなったときには、あらかじめ指定された人に通知がいくので、遺言が発見されないということもありません。さらに、自筆証書遺言書保管制度を利用すれば、家庭裁判所の検認が不要となります。

利用する際の注意点としては、民法で定められた自筆証書遺言書の要件を満たし、決められた様式で遺言書を作成する必要があるということです。これがクリアできれば、かかる費用は遺言書保管手数料としての3,900円分の収入印紙のみです。

詳しくは法務省の自筆証書遺言書保管制度をご覧ください。

まとめ
子どもがいない夫婦の相続では、配偶者だけでなく、亡くなった人の親や兄弟姉妹も相続人になる可能性があり、意外とこの点は見落とされがちです

子どもがいないと義理の両親に頼る機会が少なく、義理の兄弟姉妹ともあまり交流がないケースも少なくありません。そのため、相続が発生した際には、普段接点の少ない親族との間で遺産分割を進めなければならず、残された配偶者にとって大きな負担となることがあります。

また、兄弟姉妹の人数が多い場合には、連絡や遺産分割協議書への署名など手続きも煩雑になります。

こうした事態を避けるためにも、あらかじめ遺言書を作成しておくことが重要になります。

遺言書は単に財産の分け方を決めるための書類ではありません。残された配偶者の生活を守り、相続手続きの負担を軽減するための重要な備えでもあります。

まだまだ先のことと思わずに、夫婦で話し合って早めに準備しておくと安心です。

news.mynavi.jp

配偶者と死別した高齢男性の生活がすさんでしまう理由

日本の高齢夫婦の家事分担率は極端に女性に偏っており、そのために妻に先立たれた男性は苦痛や生きづらさを感じることになる

人数が多い団塊ジュニアの世代は50代半ばになっていて、定年が見え始めている。退職すれば毎日が日曜日となり、生活は大きく変わる。さらに20年ほど経つと、長年連れ添った配偶者と死別する。若い頃に結婚して家庭を築いていても、誰しも最後は一人(独り)だ。

だが晩年に一人になることのインパクトは、男女で大きく異なるようだ。千葉大などのチームが発表した研究によると、配偶者と死別することで男性は認知症や鬱、絶望感、死亡リスクが増えるのに対し、女性ではそういう悪影響は少なく、幸福感や生活満足度が高まるという。

これが現実であろうことは、マクロな自殺統計からもうかがえる。2020年の自殺者数は、80代前半の有配偶男性が422人、死別男性が164人(厚労省「人口動態調査」)。同年10月時点の80代前半の有配偶男性は177万6077人、死別男性は29万4653人(総務省「国勢調査」)。有配偶者、死別者それぞれの自殺者出現率(自殺率)を算出し、棒グラフにすると<図1>のようになる。

高齢者の自殺率は女性より男性の方が高いが、注目してほしいのは有配偶者と死別者の違いだ。男性を見ると、死別者の自殺率は有配偶者の倍以上で、配偶者との死別によって鬱や絶望感が増すことがうかがえる。一方、女性では両グループ間の差はわずかで、そのような悪影響は起きにくいようだ。

男性は女性と比べて交流関係が狭く、定年退職後の高齢期では、話すのは一緒に暮らす妻とだけ。その妻に去られることの痛手は大きい。料理・洗濯・掃除といった家事も妻に依存しているので、その支えがなくなると生活はすさむ。女性は家庭の外の人間関係も多く、夫がいなくなると自由時間が増え、交友の頻度も増える。配偶者との死別で幸福感や生活満足度が高まるというのは、こういうことかもしれない。

<表1>は80代前半の無業男女の生活時間だが、女性は配偶者と別れると2次活動(義務的・拘束的なもの)の時間が大幅に減り、3次活動時間(自由時間)が増える。言い方は悪いが、夫の世話から解放されるためだろう。男性はその反対だ。ここにも、高齢期の「夫婦ジェンダー」の傾向が表れている。

冒頭の研究は、配偶者と死別した男性への社会的サポートの再構築を提言している。それもいいが、まずは男性を自立した生活者へと仕向けることが必要だろう。そのための第一歩は、家事をするよう促すことだ。

周知のように、日本の男性の家事時間は短い。仕事を辞めた高齢者は違うだろうと思われるかもしれないが、65歳以上の有配偶男性の平均家事時間(週当たり)は5.5時間でしかない。同年齢の有配偶女性は21.7時間。男性の分担率は、5.5/(5.5+21.7)=20.2%、5分の1ほどだ。

65歳以上の有配偶男性の平均家事時間を横軸、家事分担率を縦軸にとった座標上に、40の国と地域を配置すると<図2>のようになる。日本は左下にあり、国際的に見て高齢男性の家事時間が極めて短く、かつ妻との分担率も低い国であることが分かる。「日本では、妻に去られた男性の生活がすさみ、死亡リスクが高まるのは当然」と、海外の人からは思われるだろう。

これから高齢期はますます長くなるが、旧態依然の夫婦ジェンダー意識を残したままだと、生きづらさや葛藤に満ちたものとなる。性役割分業を撤廃すべき理由は、こういうところにもある。

www.newsweekjapan.jp

お金をかけなくても、充実した老後

「老後を楽しく過ごすにはお金が必要」と思われがちですが、実際には必ずしもそうとは限りません。もちろん生活に必要なお金は大切ですが、お金をあまりかけなくても毎日を楽しんでいる人はたくさんいます。そうした人たちに共通しているのは、

「人とのつながり」

「日々の楽しみ」

「自分の役割」

を持っていることです。

例えば、毎朝散歩に出て顔なじみとあいさつを交わしたり、図書館で本を借りたり、公民館の講座や地域のサークルに参加したりするだけでも生活に張り合いが生まれます。また、料理や家庭菜園、手芸などを趣味として楽しむ人もいます。お金をかけなくても、「今日は何を作ろう」「野菜が育った」といった小さな楽しみが日々の充実感につながります。さらに、地域活動やボランティアなどで誰かの役に立つ機会があると、「自分はまだ必要とされている」という実感を持ちやすくなります。

老後の不安は、お金だけが原因ではありません。仕事を辞めた後の孤独感や、社会とのつながりが減ることに悩む人も少なくありません。

だからこそ、お金を使うことよりも、

「外に出る習慣を持つ」

「人と話す機会をつくる」

「好きなことを続ける」

といったことが、老後を楽しく過ごすコツといえるでしょう。

お金をかけない生活は、決して我慢ばかりの生活ではありません。身近な楽しみを見つけながら、自分なりのペースで毎日を過ごしていくことが、充実した老後につながるのではないでしょうか。

にんにく 長持ち保存ワザ

こんにちは!暮らしニスタ「家事コツ研究室」研究員Oです。蒸し暑い日が増え、なんとなく食欲が落ちたり、体がだるく感じたりすることはありませんか?そんな時季こそ、料理のアクセントにもなる「にんにく」が大活躍。香り豊かで、さまざまな料理に使える便利な食材です。

でも1つ買っても1回で全部使い切ることが難しくて、冷蔵庫で保存していたら、いつの間にか芽が出ていたり、カビが生えてしまった!ということも…。そうならないためにも今回は、にんにくのとっておきの保存方法を紹介します。

にんにくは迷わず「冷凍保存」すべし!
皆さん、普段にんにくはどこで保存していますか?私もそうだったんですが、野菜室で保存していませんか?

実は野菜室は、冷蔵庫の中でも比較的温度が髙めに設定されているので、にんにくが発芽しやすく早く傷んでしまうのだとか。

もし生のまま保存するのであれば、冷蔵庫内でも温度が低い、肉やハムなどを入れる「チルド室」に、新聞紙などに包んで保存するのが良いそうです。ただこれでも保存期間は1か月ほど。

そこで、もう少し長く保存するには「冷凍保存」がおすすめです!にんにくって冷凍保存できるんですね。

今回はにんにくを1片ずつ保存する方法と、すぐに料理に使えるようにカットしたにんにくの保存方法を紹介します。

冷凍保存の方法は?

1. にんにくを1片ずつばらす

塊で買ってきたにんにくは、1片ずつばらすようにします。このときのポイントは「皮つきのまま」にすること。生のにんにくを皮つきのまま冷凍することで、風味がとんでしまうのを防いでくれるんです!

2. 2~3片ずつラップで包む

1片ずつ皮つきのままばらしたにんにくを、2~3片ずつラップで包みます。一気にまとめてではなく、使いやすい量ずつ包むことで、取り出しやすくなりますよ。

3. フリーザーバッグに入れて冷凍庫へ

ラップで包んだにんにくをフリーザーバッグに入れます。この時、袋の中の空気はしっかり抜いて密封しておきましょう。

あとは冷凍庫に入れれば完了です。ちなみに冷凍だと、半年ほどは味を損ねることなく保存可能なんだとか!これはかはり嬉しいですね♪

解凍の手間いらず。さっと使えます!
冷凍したにんにくを使いたいときの解凍方法はとっても簡単。

1. 根本を切り落とす

最初に凍ったにんにくの根元を切り落とします。冷凍してもにんにくは完全には凍らないので簡単に切ることができますよ。

2. 水に1分間浸す

続いてにんにくがすっかり浸るくらいの水に1分間ほど浸します。

3. 皮をむき、使いたい形に切る

2のにんにくを取り出し、根元から皮をむきます。生のにんにくの皮をむく時って、皮がにんにくにべったりへばりついてむきにくかったりしますが、

なんと水に浸したあとはご覧のとおり、ツルンと皮がむけ、あっという間ににんにくを取り出せました!
個人的にはここが一番感動しましたよ(笑)あとは、料理に合わせた形に切ればOK。

にんにくをカットしてから冷凍してもOK!
もちろん冷凍したにんにくを1片ずつ取り出して使うのもいいのですが、最初から用途に合わせてカットしたにんにくを冷凍しておくと、より早く料理に使うことができますよ。

 

では今度はカットにんにくの冷凍保存方法を紹介します。

1. みじん切り、薄切り、すりおろしにする

にんにくを料理に使う際は、ほとんどみじん切り、薄切り、すりおろしのどれかだと思います。
そこでまずいつも料理に使うときのようににんにくをカットします。

みじん切り

薄切り(中心の芯部分はつまようじなどで取り除いておきます)

すりおろし

2. 適量ずつラップで包む

カットしたにんにくを料理に使いやすい量ずつのせ、平たくしてラップに包みます。
一気にまとめて包むよりも、大さじ1くらいずつを小分けにした方がのちのち料理に使いやすいですよ。

3. フリーザーバッグに入れて冷凍庫へ

ラップで包んだカットにんにくをフリーザーバッグに入れ、密封すれば冷凍庫へ。あとは、使いたい時に1包ずつ取り出せば、解凍せずそのまま料理に使えますよ。

ちなみに、やはりカットにんにくは皮つき冷凍よりも風味が飛びやすいので、大量に作るよりも適量ずつ準備しておくのをおすすめします。

カットにんにくの保存期間は約2ヶ月、すりおろしにんにくは、1ヶ月程度です。

 

冷凍にんにくで暑さを乗り切ろう!
にんにく料理が好きなのでにんにくはよく使うのですが、とは言え、一気に1個まるまる使うことはないので、残ったにんにくの保存についていつも困っていました。

でも実は冷凍保存できることがわかったので、これからはカビたり発芽させることなく最後までおいしくにんにくを消費することができそうです。

今年も暑くなりそうですが、にんにく料理でスタミナをつけて夏を乗り切っていきましょう!

取材・文/JUNKO

kurashinista.jp

日本人はなぜ空気に支配されるのか

職場や学校で、「空気」という暗黙のルールの中で生きなければならない私たち。さらに今、激変し続ける社会情勢を受け人々の不安はいや増し、空気の圧力は強まるばかりです。

そこで、中野信子さんが日本人の心性と強みを、脳科学・遺伝学・行動科学をとおして初めてひもとき、多くの共感を呼んだ大ベストセラーに、対処法を加筆したのが『新版 空気を読む脳』です。

日本人に特有の「空気を読む」能力を知ることが、賢く生き延びるための武器となります。たとえば、神風やバブル、不祥事の隠蔽など、なぜ、責任の所在があいまいとなるのか、なぜ、証明が正しくても反対意見が通らないのかなどなど、空気の支配の影響力が第3回(前編)で明らかになります。

空気を否定したら生きていけない
日本人が「空気」というきわめて局所的かつ強力な統治原理を手放さない限り、半永久的に日本は単立文明であり続けるのではないでしょうか。欧米のような「神」や「契約」といった外的な絶対規範を持たない日本において、集団の意思決定を左右するもっとも強力な要因である「空気」。これは、単なる雰囲気といったようなものではなく、私たちの行動を支配する非常に強い力を持っています。

この支配力の源は、先にも述べましたが責任の所在の不可視化、論理(ロジック)の無効化、また臨在感的把握の3要素から構成されています。

責任の所在の不可視化は、「空気が決めたこと」になれば、結果として失敗しても、「あのときはそういう空気だったから仕方ない」という言い訳が成立し、誰も責任をとらず健全なフィードバックが行われ得ない構造が生まれます。むしろ健全なフィードバックを行った人間から排除されるでしょう。「空気」を否定した者は、もはやその「空気」を吸って生きていくことはかないません。

論理の無効化も、同様の構造によって起こる現象です。どんなにデータや数字で「それは不可能だ」「間違っている」と証明されたとしても、その場の「空気」が賛成に傾いていれば、反対意見を口にした者は排除されます。それは神のごとき支配者たる「空気」に「水を差す」、つまり「論理」という異教の神を崇める背信行為、共同体への反逆行為にほかならないからです。

臨在感的把握というのは、特定の対象に「霊的な何か」が宿っているかのように感じ、それを絶対視してしまう心理のことです。21世紀の現代においても、さらには都市生活者であっても、八百万(やおよろず)の神としてものや場や思考、物語、言葉そのものなどに霊的な何かが宿ることを多くの日本人が自然に受け入れて日常を送っているさまは、それだけで他文明とは異質であり、この「感情的な一体感」が「空気」をつくり出していきます。

「水を差す」ことの重要性
日本の異質さを「空気」というキーワードで解剖した山本七平は、日本の意思決定が以下のサイクルをくり返していると指摘しました。

空気が支配し始める、醸成過程。誰も異論を唱えられない雰囲気がつくられていきます。

これが完成すると、暴走過程が始まります。合理性を度外視した、「空気」の絶対的支配です。神風、バブル、不祥事の隠蔽など、特定の方向に集団が突き進む強力な圧となるものです。ここで破滅的な失敗や、外部からの強力な強制力によって空気が霧散する事態が生じると、崩壊過程に入ります。しかしながらこの破滅的な失敗は、次に活かされることはほとんどなく、「あの状況では仕方なかった」などの慰めが支配的となる忘却過程が続きます。そして誰も責任をとることはなく、また次の「空気」が生まれることになります。

山本はあえて、空気を読んだうえで、それに支配されないために、「水を差す」ことの重要性を説いています。今自分が感じている「空気」を、絶対的な真理ではなく、あくまで「一時的な心理現象」として客観視する視点の導入です。

山本は「水」を「空気による狂信状態から覚醒させるための不可欠な手段」としてとらえなおしました。「空気」がある種の熱狂や「臨在感的把握(対象に感情移入しきった状態)」によって成立しているなら、その熱を冷ますのが「水」の役割だから、水を差すことができる人を育成せよ、というわけです。

とはいえ日本社会では、先述のとおり「水を差す」ことはせっかくの盛り上がりにケチをつけるなどネガティブな文脈でとらえられることがしばしばです。「空気」は単なる雰囲気ではないのです。一種の「宗教的拘束力」に近いもので、破れば苛烈な「罰」がくだされるものなのです。

「なぜ、相手や周りの気持ちがわかりすぎる人ほど生きづらいの?」――。

職場や学校で、「空気」という暗黙のルールの中で生きなければならない私たち。さらに今、激変し続ける社会情勢を受け人々の不安はいや増し、空気の圧力は強まるばかりです。

そこで、中野信子さんが日本人の心性と強みを、脳科学・遺伝学・行動科学をとおして初めてひもとき、多くの共感を呼んだ大ベストセラーに、対処法を加筆したのが『新版 空気を読む脳』です。

日本人に特有の「空気を読む」能力を知ることが、賢く生き延びるための武器となります。空気の支配の中で最強の免罪符となるのが「誠意」です。第3回(後編)ではその理由と使い方をお伝えします。

「和」の社会で重要視される「誠意」
「空気」の支配力を通して山本七平が分析した「日本教」は、特定の経典や教祖を持ちませんが、強力な教義として機能している要素があります。人間(じんかん)至上主義、情況倫理(ケースバイケース)、現世中心主義の3つです。

日本教において最も尊いのは、神でも仏でもなく「人間関係」です。一文字で表現するなら「和」そのものです。真理や正義よりも、「周囲とうまくいっているか」「和を乱さないか」が最優先されるのです。この中で重要な役割を果たすのが「誠意」です。理論的な正しさよりも「誠意(一生懸命やっているか)」という情緒的な姿勢が評価の対象となります。

また、十戒などの絶対的な神の掟を持たないため、善悪の基準が「その時の状況や空気」によって柔軟に(あるいは節操なく)変化します。これが情況倫理です。

そして、死後の世界や、日常の人間関係を超克する聖域などではなく、「今、ここ」の利益を最優先するのが現世中心主義です。多くを語る必要はないと思いますが、目に見える範囲で役に立たないものは「迷惑」であるとされ、放置されるか、悪くすれば排除の対象になります。

この日本教における神が「空気」です。

このパラダイムの中では「誠意」が何よりも強力な免罪符となり、「彼には誠意があった」「一生懸命だった」と周囲が認めれば、日本教の論理では許されます。逆に、どんなに正論を言っても「誠意が感じられない」とされれば、日本教における背信者としてさらなる反感を買い、排除されます。

山本は、日本社会では「何をしたか(結果・客観的事実)」よりも、「どのような精神状態でそれを行ったか(主観・誠意)」が究極の判定基準になると指摘しました。これは、何かを「やらかした」ときの日本における謝罪のあり方のガイドラインになるものです。たくさんの方がこのマニュアルを必要としていることでしょうが、この原理に則って謝罪すればほぼ乗り切ることが可能でしょう。構造はシンプルなものです。

「誠意」はどんな正論も駆逐する
通常、組織や社会での失敗は「原因の究明」と「責任の所在」を明らかにすることで解決を図ります。しかし、日本教の論理ではプロセスが逆転します。

論理的な思考では、「失敗した」→「方法が間違っていた」→「責任をとるべきだ」となりますが、日本教的な思考では「失敗した」→「しかし彼は一生懸命(誠意を持って)やった」→「ならば責めるのは酷だ(水に流そう)」となります。

ここでいう「誠意」とは、具体的な解決策のことではなく、「対象に対して自己をどれだけ没入させたか」という情緒的な純粋さを指します。この純意(まごころ)が認められると、たとえ壊滅的な実害を出したとしても、その罪は「浄化」されてしまいます。

日本教において「誠意」を証明するためには、しばしば「自己犠牲のポーズ」が必要になります。

徹夜・過労など自分を痛めつける行為や深々とした謝罪、つまり、腹を切る文化の残滓です。「寝ずに頑張った」という事実は、仕事の効率よりも高く評価されますし、会見での涙や、徹底的な低姿勢は、事実関係の説明よりも「誠意の証明」として機能します。「腹を切る」文化の残滓は、具体的な、辞任や降格といった「身を削る行為」のデモンストレーションにより、周囲の「空気」を「もう許してやろう」という方向に誘導するのです。

なぜ「誠意」はこれほど強力なのでしょうか。それは、「誠意」が「共同体の空気」を維持するための装置となっているからです。

もし論理だけで責任を追及し続けると、人間関係に修復不可能な亀裂が入ります。しかし「誠意があった」と認定して水に流せば、組織の和は保たれます。日本教の教義は「真理」にあるのではなく「和」であり神は「空気」であるため、それを維持するための「誠意」はどんな正論よりも尊いという扱いになるのです。

この構造の恐ろしさは、「誠意さえあれば何をやっても許される」という原理を生むことです。これは失敗からの学習を不可能にし、健全なフィードバックを無効化してしまいます。失敗の原因は「技術や戦略の欠如」ではなく、「気合や誠意の不足」とされ、一生懸命やった結果なら誰も責められないため、同じ構造的なミスがくり返されることになります。

戦時中の「精神力(大和魂)で物量差を補う」という発想や、現代企業の不祥事における「トカゲの尻尾切り的な謝罪」は、すべてこの日本教の「誠意の免罪符」が発動している例として山本の論では分析されます。この日本教的構造が「平時」には驚異的な団結力と効率を生む一方で、「非常時」には誰も責任をとらず、根拠のない空気に流されて破滅に向かう脆さを持っていると結論づけました。

次項では、空気の支配下で「言葉」の力がどう働くか、空気という謎ルールの社会で、どうやって生きていくかを述べていきます。

◇次回は、第4回前編「脳科学者・中野信子が語る空気の謎。「上級国民」や「下流老人」という言葉が爆発的に広まった背景」にて公開。6/8公開です。

 

gendai.media